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試合解説2026/08/07

平均+1.74の「我慢比べ」開幕──オーバーパーが64人、首位4人は「乗せる力」で並んだのではなかった|北海道meijiカップ2026 R1

先週は-2.24、今週は+1.74。同じ夏の1週間で真逆になったコースで、何が効いたのかを全32指標+実測スタッツで確かめる。

先週のいい部屋ネットレディスは、通過ラインが-5という超ロースコア決戦だった。1週間後、札幌国際カントリークラブ島松コース(6,709ヤード・パー72)で始まった北海道meijiカップは、まったく逆の顔をしていた。

① コース平均+1.74。昨年の同じコースより1.16打難しい

初日のコース平均対パーは**+1.74**。先週の初日と比べると、4打ぶん景色が違う。

ラウンド 出場者全員の平均対パー
いい部屋ネット R1(7/23・120名) -2.24
(参考)2025年 北海道meiji R1(101名) +0.58
2026年 北海道meiji R1(108名) +1.74

アンダーパーで回れたのは108人中24人。イーブンパーが20人で、残り64人(59.3%)がオーバーパー。首位が-4という数字が、この日の厳しさを物語っている。

理由はグリーンに乗らないことだ。この日のパーオン率は58.4%。とくに苦しんだのがパー3である。

ホール 対パー パーオン率 内容
14番(パー3/192Y) +0.38 39.8% ボギー35・Wボギー2・その他3。40人が落とした
15番(パー4/400Y) +0.28 34.3% バーディはわずか4人、ボギー30
5番(パー4/387Y) +0.27 45.4% Wボギー4
2番(パー3/194Y) +0.19 28.7% 108人中31人しか乗らなかった
18番(パー5/555Y) -0.17 83.3% バーディ28、この日最易
8番(パー4/327Y) -0.15 92.6% バーディ27

194ヤードのパー3に、108人中77人が乗せられない。 これが初日の島松コースだった。

② 首位4人──ベテランと若手が-4で並ぶ

順位 選手 スコア 出身 プロ入り
T1 金田 久美子選手 68 愛知・名古屋市 2008年
T1 池ヶ谷 瑠菜選手 68 岐阜 2022年
T1 入谷 響選手 68 愛知・豊川市 2024年
T1 鈴木 愛選手 68 徳島・東みよし町 2013年

2008年プロ入りの金田選手と、2024年プロ入りの入谷選手が同じ68で並んだ。鈴木愛選手は難所の14・15・16番をすべてパーで凌ぎ、17・18番の連続バーディで抜け出した。金田選手はバーディ7つ・ボギー3つと、この日の条件では珍しく積極的な内容だった。

③ 実測スタッツ:この日を支配したのは「乗せる力」

108人全員のスタッツとスコアの相関を取ると、答えははっきりしていた。

実測スタッツ スコアとの相関
パーオン数 -0.633
パット数 +0.437
飛距離 -0.137
フェアウェイキープ -0.105

パーオンが-0.633。 先週の総括で「超ロースコア決戦は沈める力で決まる」と書いたが、乗らないコースでは話が逆になる。乗せた選手が上位に来て、飛距離もフェアウェイもほとんど関係しなかった。

ただし首位4人は、その法則の例外だった。

選手 パーオン パット数
金田 久美子選手 11/18 24(最少タイ)
池ヶ谷 瑠菜選手 11/18 25
入谷 響選手 13/18 26
鈴木 愛選手 13/18 27
(参考)永井 花奈選手 16/18(最多) 31 → T9

乗せた数はほぼ平均並み。パット数だけが図抜けていた。 一方、この日いちばん乗せた永井花奈選手は31パットでT9。

なお「パット数が少ない=上手い」とは単純に言えない。乗らなければ2パットの機会そのものが減るからで、実際パーオン数とパット数の相関は+0.333(乗せるほどパットは増える)。それでも首位4人は、乗せた数が平均並みのまま24〜27で収めた。寄せワンで拾い続けた1日だった。

④ 32指標の答え合わせ──「3R大会強さ」は当たり、「地元開催」は空振り

事前の出場者内番手とR1スコアの相関を、全32指標で総当たりした。

持ち味ランキング R1スコアとの相関
直近5戦の勢い +0.346
3R大会強さ女王 +0.337
初日好調女王 +0.334
アンダーパー率 +0.322
パーオン女王 +0.285
女王指数(総合力) +0.215
地元開催女王 +0.130
夏の女王 +0.119
FW精度女王 -0.030

早見表では「3日間競技かつ北海道開催」という理由で3R大会強さ地元開催の2つを主役に据えた。結果は片方だけ当たった。3R大会強さは32指標中2番手に入り、地元開催は+0.130でほぼ効かなかった。

そして注目すべきは、総合力を測る女王指数(+0.215)より、「いま調子がいいか(直近5戦)」「初日から入れるか(初日好調)」のほうが上に来ていることだ。乗らないコースの初日は、通年の実力より当日の状態が出る。

⑤ データ本命が80位、という2週連続の出来事

その一方で、こういうことも起きた。

選手 事前番手(出場108名内) R1
佐久間 朱莉選手 女王指数1・3R大会1・初日好調1・パーオン2 76(+4/T80)
河本 結選手(昨年覇者) 女王指数5・3R大会3 73(+1/T45)
菅 楓華選手 女王指数3・3R大会2・地元開催1 71(-1/T14)

主要指標がすべて1〜2番手だった佐久間朱莉選手が、+4のT80。 先週は「32指標すべてで13番手以下だった加藤麗奈選手が優勝」だった。2週続けて、指標の先頭と結果の先頭が食い違っている。

ただ、これを「指標は当てにならない」と読むのは早い。集団で見ると、こうなっている。

3R大会強さの番手 人数 うちアンダーパー
1〜30番手 30人 11人(36.7%)
31番手以下 70人 13人(18.6%)

上位30人からアンダーパーが出る確率は、それ以外のちょうど2倍。 指標は集団として、きちんと当たっている。

つまりこの道具で言えるのは、**「誰が勝つか」ではなく「誰が上位に来やすいか」**までだ。1打差で10人が入れ替わる競技で、先頭の1人を名指しできる指標は存在しない。逆に言えば、名指しできないからこそ108人ぶんの物語が残る。

⑥ 北海道勢と2日目

道産子7名の最上位は、恵庭市出身の阿部未悠選手が-2のT9。13/14フェアウェイキープ・15/18パーオンと、この日の条件にいちばん合う内容だった。地元開催女王2番手の答え合わせとしては合格点だろう。政田夢乃選手(札幌市)が±0のT25で続く。

先週優勝の加藤麗奈選手は±0のT25。13/14のフェアウェイキープで、この難コースでも大きくは崩れなかった。

2日目のポイントは3つ。

  • 乗せる力が続くか:パーオンとの相関-0.633が2日目も出るなら、パーオン女王上位のウー チャイェン選手(1番手・T14)・穴井詩選手(3番手・T14)に浮上余地
  • カットライン:3日間競技で初日から平均+1.74。通過ラインは相当高くなる
  • 佐久間朱莉選手の巻き返し:+4からの浮上があるか

出場108名の持ち味と組み合わせは初日早見表、各選手の持ち味は持ち味ランキング一覧から。


引用・参照

  • JLPGA公式 北海道meijiカップ2026 Round1 フルリーダーボード/ホールサマリ/ホールバイホール/スタッツ(参照日:2026-08-07)
  • 出身地・プロ入り年は当サイトDB、所属はJLPGA公式ペアリング表に準拠
  • 持ち味ランキングの番手・相関は当サイト編集部の集計(指標は2026-07-26スナップショット、番手は出場108名内。Pearson相関、番手×R1スコア、全32指標を確認)
  • 実測スタッツ(パーオン・パット数・飛距離・フェアウェイキープ)とスコアの相関は、公式スタッツ108名分を当サイトで再集計
  • コース平均対パーの比較は、いずれも各大会の出場者全員ベースで統一(当サイトDBのラウンドスコアから算出)

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