54ホールでボギー1つ。それでも2打足りなかった|ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン2026 総括
桑木志帆選手が-12で今季3勝目。赤に上げたパーオン女王は54H通算で相関1位、高難度コース女王は9位に下がりました
第53回ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンは、**桑木志帆選手が69-67-68の204(-12)**で優勝しました。今季3勝目です。
| 順位 | 選手 | R1 | R2 | R3 | 通算 |
|---|---|---|---|---|---|
| 優勝 | 桑木 志帆選手 | 69 | 67 | 68 | 204(-12) |
| 2位 | 木戸 愛選手 | 71 | 67 | 68 | 206(-10) |
| 3位タイ | 永井 花奈選手 | 71 | 68 | 68 | 207(-9) |
| 3位タイ | 福山 恵梨選手 | 67 | 68 | 72 | 207(-9) |
| 5位 | 山本 景子選手 | 68 | 71 | 70 | 209(-7) |
| 6位タイ | 佐久間 朱莉選手 | 70 | 70 | 70 | 210(-6) |
| 6位タイ | 安田 祐香選手 | 70 | 69 | 71 | 210(-6) |
| 6位タイ | 浜崎 未来選手 | 71 | 67 | 72 | 210(-6) |
最終日はくもり・気温19.3℃・北の風2.2m/s。入場者は5,107人で、3日間の合計は11,099人でした。
2位の木戸愛選手について、先に書かせてください。
① 木戸愛選手、54ホールでボギーは1つ
木戸選手の3日間を、ホールバイホールから数えました。
| スコア | バーディー | ボギー以上 | |
|---|---|---|---|
| 初日 | 71 | 2 | 1 |
| 2日目 | 67 | 5 | 0 |
| 最終日 | 68 | 4 | 0 |
| 計 | 206(-10) | 11 | 1 |
54ホールでボギーは、初日の12番の1つだけ。2日目と最終日は36ホール連続でボギーなしでした。
それでも、優勝には2打足りませんでした。木戸選手は今季これで3度目の2位です(6月ヨネックスレディス、9月ゴルフ5レディス、そして今週)。2012年のツアー初優勝から14年、2勝目はまだ先にあります。
こういう週の数字を、記録として残しておきたいと思いました。
② 最終日が、3日間でいちばん難しかった
コースの平均スコアです。
| 平均(対パー) | 人数 | |
|---|---|---|
| 初日 | 72.398(+0.398) | 108名 |
| 2日目 | 71.972(-0.028) | 106名 |
| 最終日 | 72.828(+0.828) | 58名 |
予選を通過した58名だけで見ると、もっと極端です。この58名の平均は初日70.707、2日目70.586、そして最終日72.828。2.24打も悪化しました。アンダーパーは19名だけ、イーブンが9名です。
原因のひとつは、明らかに**15番パー3(160ヤード)**でした。
| 15番の対パー | 内訳 | |
|---|---|---|
| 初日 | +0.0556 | ボギー10・Wボギー3 |
| 2日目 | -0.0660 | バーディー24・ボギー11 |
| 最終日 | +0.2931(最難) | バーディー6・ボギー5・Wボギー4・トリプル以上3 |
2日間は「伸ばせるパー3」だったホールが、最終日だけ7人が2打以上落とすホールに変わりました。160ヤードのパー3で、これは相当のピン位置です。
もうひとつの主役、9番パー4(406ヤード)は3日間ずっと難しいままでした。
| 9番の対パー | パーオン率 | |
|---|---|---|
| 初日 | +0.4352(最難) | 40.7% |
| 2日目 | +0.3396(最難) | 41.5% |
| 最終日 | +0.2759(2位タイ) | 32.8% |
3日間すべてで、18ホール中唯一の「パーオン率50%割れ」。最終日は32.8%まで落ちました。
③ 赤い列の答え合わせ:入れ替えは正解でした
今週、早見表の赤いヘッダーは3回動きました。
| 赤に置いた指標 | |
|---|---|
| 初日 | 高難度コース強さ/予選通過率 |
| 2日目 | 高難度コース強さ/予選通過率/パター(追加) |
| 最終日 | 高難度コース強さ/パーオン(パターを外して入れ替え) |
そして54ホール通算(通過58名内)との相関が、こうなりました。
| 指標(通過58名内の番手) | 54H通算との相関 | 順位 |
|---|---|---|
| パーオン女王 | +0.5355 | 1位 |
| 女王指数 | +0.4972 | 2位 |
| 3R大会強さ女王 | +0.4919 | 3位 |
| 賞金効率女王 | +0.4672 | 4位 |
| パター女王 | +0.4652 | 5位 |
| アンダーパー女王 | +0.4486 | 6位 |
| 予選通過率女王 | +0.4467 | 7位 |
| 高難度コース女王 | +0.4334 | 9位 |
最終日に赤へ上げたパーオン女王が、54ホール通算で1位でした。2日目の反省(「実測で効いて、かつ事前にも読める項目を置く」)から入れ替えた判断は、結果的に当たりました。
ただし、同じくらい大事な発見があります。高難度コース女王が9位まで下がったことです。
| 集団 | 高難度コース女王の相関 | 順位 |
|---|---|---|
| 108名/初日スコア | +0.376 | 1位 |
| 106名/36H通算 | +0.537 | 1位 |
| 58名/54H通算 | +0.433 | 9位 |
予選を通過した58名だけに絞ると、順位が落ちる。つまりこの指標は「難しいコースでカットを生き残る力」をよく表していて、「通過した者どうしの争いで上位を決める力」ではなかった、という読み方ができます。
高難度コースが得意な選手は、まず日曜日に残る。そこから先を分けたのは別の力だった、ということです。
④ 実測では、最終日だけパーオンが1位に
3日間の実測スタッツと、その日のスコアの相関を並べます。
| 初日 | 2日目 | 最終日 | |
|---|---|---|---|
| パット数 | +0.576 | +0.568 | +0.556 |
| パーオン | -0.473 | -0.462 | -0.583 |
| フェアウェイキープ | -0.145 | -0.131 | -0.162 |
| 飛距離 | -0.205 | -0.328 | -0.052 |
初日と2日目はパット数が最強でした。最終日だけ、パーオンが逆転して-0.583で1位になっています。
コースが硬くなり、15番のようにピンが厳しくなると、「まず乗せる」ことの価値が上がる。優勝した桑木選手の最終日はパーオン15/18・パット28、木戸選手はパーオン12/18・パット26(この日の最少)。2人とも自分の得意な側で18ホールをまとめました。
ちなみにフェアウェイキープは、3日間ずっと-0.13〜-0.16。今週の利府では、曲げても致命傷にはならないコースでした。
⑤ 3日間、前日とは関係がなかった
もうひとつ、今週ずっと続いた傾向です。
| 相関 | |
|---|---|
| 初日 × 2日目(106名) | +0.166 |
| 2日目 × 最終日(58名) | +0.160 |
| 36H通算 × 最終日(58名) | +0.163 |
前日のスコアから、翌日のスコアはほとんど読めません。先週の東海クラシック2日目(+0.059)に続いて、この傾向は2週連続です。
実際の順位でも、そうなりました。初日に66(-6)で首位に並んだ3人の最終順位です。
| 選手 | 初日 | 最終順位 |
|---|---|---|
| 尾関 彩美悠選手 | 66 | 18位タイ(-3) |
| 川﨑 春花選手 | 66 | 18位タイ(-3) |
| 阿部 未悠選手 | 66 | 24位タイ(-2) |
3人とも20位前後。尾関選手は最終日77(+5)で、6番のダブルボギーと15番のトリプル以上が響きました。神谷そら選手も15番で同じくトリプル以上を打っています。
一方で優勝した桑木選手は、初日69の11位タイから。3日間すべてを70以下でまとめたのは、58名のうち桑木選手(69-67-68)と佐久間朱莉選手(70-70-70)の2人だけでした。その2人が、優勝と6位タイです。
⑥ 地元・東北勢と、メルセデスの行方
地元・東北出身6名のうち、日曜日に残ったのは4名でした。
| 選手 | 出身 | 通算 | 最終順位 |
|---|---|---|---|
| 髙久 みなみ選手 | 福島県 | +3 | 52位タイ |
| 倉林 紅選手 | 宮城県富谷市 | +3 | 52位タイ |
| 蛭田 みな美選手 | 福島県東白川郡鮫川村 | +1 | 46位タイ |
| 山路 晶選手 | 宮城県仙台市 | +5 | 55位タイ |
初日は6名の平均71.33で全体(72.398)を1.07打上回り、そこからは伸びませんでした。それでも、地元開催の3日間で日曜のフェアウェイに4人が立ちました。最終日の入場者5,107人は、この3日間でいちばん多い数字です。
メルセデス・ランキングは、首位の桑木選手がここで優勝。9月20日時点で2位の佐久間朱莉選手(今週6位タイ)との584ptsの差は、さらに開く計算になります。桑木選手は今季3勝目です。
⑦ 今週わかったこと
- 「カットを生き残る指標」と「上位を決める指標」は違う。高難度コース女王は前者、パーオン女王は後者でした。来週からは、予選段階と優勝争いで見る指標を分けます。
- 実測で効く項目と、事前に読める項目は別。パットは実測で最強でも、事前の番手では当日の44%しか説明できません。パーオンは81%説明できます。早見表は事前に配るものなので、後者を選びます。
- 前日は当てにならない。3日間ずっと相関+0.16前後でした。日曜の朝に「昨日の順位」で見るのをやめて、指標と当日のコース設定で見るほうが役に立ちそうです。
桑木志帆選手、今季3勝目おめでとうございます。木戸愛選手の54ホール1ボギーも、この大会の記録として残します。3日間お疲れさまでした。
来週も、データで追いかけます。
データ出典:JLPGA公式サイト(フルリーダーボード/ホールバイホール/スタッツ/ホールサマリ/大会概要・天候、いずれも2026年9月27日)、持ち味ランキングは当サイト独自集計(2026年9月20日基準)、メルセデス・ランキングはJLPGA公式発表の2026年9月20日時点、過去大会の成績と選手の戦績は当サイトDB。
※相関はピアソンの積率相関係数です。指標の番手・スコア・パット数はいずれも「小さいほど良い」ため正の相関が、パーオン・フェアウェイキープ・飛距離は「大きいほど良い」ため負の相関が「効いた」を意味します。
※③の相関は集団が異なると比較が難しくなります(58名に絞ると値のばらつきが小さくなり、相関は下がりやすい)。順位の入れ替わりはその影響を含んだ読み方としてご覧ください。守り切り女王は該当10名と少数のため、順位表からは除いています。
※難易度の比較は、生存者バイアスを避けるため「通過58名だけ」の3日間平均も併記しています。
関連選手
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