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試合解説2026/09/20

データ本命が、18番のパーで勝ちました|住友生命Vitalityレディス 東海クラシック2026 総括

32指標中11指標で出場者内1番手だった佐久間朱莉選手が今季3勝目。プレーオフの相手は、地元で連覇を狙った神谷そら選手でした。

第57回住友生命Vitalityレディス 東海クラシックは、佐久間朱莉選手が通算-13(68-69-66)で優勝しました。今季3勝目です。

同じ-13で並んだのは神谷そら選手。18番(パー4)で行われたプレーオフは、佐久間選手が4(パー)、神谷選手が5(ボギー)。1ホールで決着しました。

地元・岐阜県土岐市出身の神谷選手にとっては、連覇まであと1打という2位でした。

① 佐久間朱莉選手の54ホール

初日 2日目 最終日
スコア 68 69 66
飛距離 248.0 244.0 255.5
フェアウェイキープ 8/14 9/14 11/14
パーオン 15/18 16/18 15/18
パット数 30 32 28

3日目に飛距離を伸ばし、フェアウェイキープを増やし、パットを減らしています。前半で5番パー5のイーグルを含む4バーディー・1イーグルの30をマークして、そこで勝負を決めにいきました。後半は11番のバーディーと14番のボギーで36。

最終日のベストスコアはウー チャイェン選手の64(8バーディー・ノーボギー)、次いで小林光希選手の65でした。ただしこの2人は初日・2日目の貯金が足りず、6位タイまで。

② 「11指標で1番手」は、そのまま結果になりました

大会展望で、こう書きました。

出場108名の中で持ち味ランキングの番手を計算したところ、32指標のうち11指標で佐久間選手が1番手でした。

その選手が優勝しました。では、3日間を通してどの指標が結果と結びついていたか。予選通過57名で、54ホール通算との相関を取りました。

指標(通過57名内の番手) 54H通算との相関
海外勢撃破女王 +0.594
賞金効率女王 +0.568
女王指数 +0.559
直近5戦女王 +0.555
予選通過率女王 +0.538
3R大会強さ女王 +0.529
大舞台女王 +0.524

早見表の赤ヘッダーに置いた「3R大会強さ」は+0.529で機能しました。3日間競技に強い選手が、そのまま上位に来たことになります。

上位に並んだ顔ぶれを見ると、海外勢撃破・賞金効率・女王指数・予選通過率と、実力を別の角度から測った指標ばかりです。先週に続いて、この大会でも「珍しい切り口の指標」より「実力の総合指標」が素直に効きました。

③ 実測スタッツ:3日間ともパーオンとパット

実測スタッツ 初日 2日目 最終日
パット数 +0.613 +0.510 +0.673
パーオン -0.596 -0.552 -0.619
フェアウェイキープ -0.296 -0.452 -0.170
飛距離 -0.197 -0.088 -0.111

3日間を通して、パット数とパーオンの2つが安定して効き続けました。飛距離は一度も-0.2を超えません。

日替わりだったのはフェアウェイキープです。コースが難しかった2日目だけ-0.452まで伸び、易しくなった最終日は-0.170に戻りました。曲げても許される日と、許されない日がある。これが今大会でいちばんはっきりした「日替わりの要素」でした。

最終日の平均は、パーオン14.11(3日間で最多)、パット29.96(最少)、飛距離238.7ヤード(最長)。乗せて、沈めて、飛ばす。コースが緩んだ日らしい数字が並びました。

④ 最終日だけ、コースが0.7打やさしくなった

予選通過57名の同一集団で、3日間の平均を並べます。

通過57名の平均
初日 70.491
2日目 70.632
最終日 69.947

最終日が0.685打やさしくなりました。ホール別に見ると、パー5の2ホールが極端です。

ホール 最終日の対パー 内訳
15番(パー5) -0.6140 イーグル3・バーディー29・ボギーゼロ
11番(パー3・140Y) -0.5088 バーディー30(57名中)
5番(パー5) -0.3860 イーグル1・バーディー23
9番(パー4) +0.3158 ボギー15・ダブルボギー5、パーオン率50.9%

11番は57名中30名がバーディー。15番は誰ひとりボギーを打ちませんでした。この2ホールで稼げるかどうかが、そのまま順位に出ています。

天候は3日間ほとんど同じでした。

初日 2日目 最終日
気温 27.0℃ 27.3℃ 27.8℃
風速 2.4 m/s 2.2 m/s 2.0 m/s
風向 南西 北北西 西北西
入場者数 4,987人 7,927人 6,622人

3日間で合計19,536人。風は最後まで穏やかでした。

⑤ 「初日と2日目の相関+0.059」のその後

R2振り返りで、106名の初日スコアと2日目スコアの相関が**+0.059**しかなかったことを書きました。2026年の国内大会では下から2番目タイの低さです。

最終日はどうだったか。予選通過57名で見ると、2日目と最終日の相関は-0.023。こちらもほぼ無相関でした。

3日間、前の日のスコアが次の日を教えてくれない大会でした。初日65から81を打った入谷響選手、初日73から65を出した藤田さいき選手。どちらも極端な例ですが、全体の数字もそれを裏づけています。

そのなかで、佐久間朱莉選手は68-69-66。3日間すべて70を切りました。日替わりのコースで、自分のスコアだけが動かなかった選手が勝った、という見方もできます。

⑥ 地元・東海勢11名の最終成績

展望で「地元の後押しは、集団を底上げするのではなく、特定の選手に効く」と書きました。3日間を終えた結果です。

順位 選手 通算
2位 神谷 そら選手(岐阜) -13
41位タイ 池ヶ谷 瑠菜選手(岐阜) -2
51位タイ 山本 景子選手(岐阜) E
予選落ち 8名(愛知6・岐阜2)

11名のうち、予選を通過したのは3名だけ。うち2位に入ったのが1名です。昨年(11名中トップ20入りが2名)と、ほとんど同じ形になりました。

初日に1位・2位を独占したときも、「上位2人を除くと9人の平均は73.22」と書きました。その読み方は、最後まで変わりませんでした。

なお初日首位の入谷響選手(愛知県豊川市)は、2日目の81が響いて予選落ち。初日と2日目で16打差という、今大会いちばん大きな振れ幅でした。

⑦ 「まくり女王」の答え合わせ

最終日の早見表に「まくり女王」を入れるとき、こう注記しました。

先週の日本女子プロ選手権では、まくり女王の番手と実際の追い上げ幅(最終日−3日目)の相関が+0.001と完全な空振りでした。過信せずに見てください。

今週の結果です。

追い上げ幅(最終日−2日目)との相関
まくり女王 +0.159
TOP10率女王 +0.382
海外勢撃破女王 +0.381
女王指数 +0.373

先週の+0.001よりは出ましたが、実力系の指標のほうが追い上げをよく説明しています。「最終日に伸ばす選手」を当てたいなら、まくり女王より女王指数を見たほうがいい。2週続けて同じ結論になりました。

⑧ 数字のまとめ

  • 出場108名、予選通過57名(カットラインは通算イーブンパー)
  • 棄権2名(前多愛選手:2日目開始前/菅沼菜々選手:2日目9ホール終了後)
  • 優勝賞金1,800万円、支給56名(アマチュアの岩永杏奈選手を除く)、支給総額94,999,995円
  • 最終日ベストスコアはウー チャイェン選手の64
  • 3日間の最少パットは藤田さいき選手の25(2日目)と吉澤柚月選手の25(最終日)
  • 18ホール全部パーオンは2人:仲村果乃選手(2日目)、古江彩佳選手(最終日)

佐久間朱莉選手、優勝おめでとうございます。そして3日間を戦ったすべての選手に、お疲れさまでした。


データ出典:JLPGA公式サイト(フルリーダーボード/最終成績/プレーオフ/ホールバイホール/スタッツ/ホールサマリ/大会概要・天候、2026年9月18〜20日)、持ち味ランキングは当サイト独自集計(2026年9月13日基準)。

※指標の番手は予選通過57名のなかで計算し直しています。初日・2日目の記事は108名内の番手なので、同じ選手でも数字が異なります。

※相関はピアソンの積率相関係数です。番手・スコア・パット数はいずれも「小さいほど良い」ため正の相関が、パーオン・フェアウェイキープ・飛距離は「大きいほど良い」ため負の相関が「効いた」を意味します。

※コース難易度の比較は、3日間すべてを回った予選通過57名の同一集団で行っています。

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