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試合解説2026/09/18

地元の2人が1位と2位。ただし残り9人の平均は73.2でした|住友生命Vitalityレディス 東海クラシック2026 初日

今日いちばん効いたのはパット数(+0.613)。そして風速2.4mの日に「風の女王」が相関1位になった理由を、偏相関で分解しました。

第57回住友生命Vitalityレディス 東海クラシックの初日が終わりました。首位は入谷響選手(愛知県豊川市出身)の65、2位は神谷そら選手(岐阜県土岐市出身)の66。地元の2人が上位を独占しました。

108名の平均は72.065(+0.065)、アンダーパーは50名。晴れ時々曇り、気温27.0℃、南西の風2.4m/s。入場者は4,987人でした。

① 入谷響選手の65は、7バーディー・ノーボギー

内訳を並べます。

1 2 3 4 5 6 7 8 9 OUT
入谷選手 31
10 11 12 13 14 15 16 17 18 IN
入谷選手 34

○=バーディー。18ホールでボギーがひとつもありません。

スタッツはさらに極端でした。

  • パット数 26(108名で最少。2番目は27で4名)
  • パーオン 15/18(平均13.53)
  • 飛距離 224.0ヤード(平均231.4)
  • フェアウェイキープ 8/14

パーオンできなかった3ホールを、すべてパーで収めた計算になります。飛距離は平均以下。今日のコースを、グリーン上の26パットで攻略しました。

2位の神谷そら選手も6バーディー・ノーボギーの66。パーオン16/18、パット30。こちらは乗せる数で稼いだ形です。昨年の覇者が、初日から連覇の位置につけました。

3位タイは河本結選手と泉田琴菜選手の67。泉田選手もノーボギーで、初日のトップ4のうち3人がボギーなしでした。

② 今日いちばん効いたのは「パット数」

108名の実測スタッツとスコアの相関を取りました。

実測スタッツ スコアとの相関
パット数 +0.613
パーオン -0.596
フェアウェイキープ -0.296
飛距離 -0.197

パット数が最も強く出ました(数字が小さいほどスコアが良い=正の相関)。パーオンがそれに続きます。

先週の日本女子プロ選手権(片山津)は4日間すべてでパーオンが最強でしたが、今週は順番が入れ替わりました。優勝スコアが-16と-13で決まる伸ばし合いのコースでは、グリーンに乗せた後の1打が効いてきます。

飛距離の相関は-0.197とほぼ効いていません。6,565ヤードという長さと、今日の首位が224.0ヤードだったことが、それを裏づけています。

③ 「風の女王」が風速2.4mの日に相関1位だった理由

ここからは、先週の総括コラムで「宿題」として書いた話の続きです。

持ち味ランキング32指標の番手と、今日のスコアの相関を全部計算しました。上位はこうなりました。

指標(出場者内番手) スコアとの相関
風の女王 +0.461
パター女王 +0.453
女王指数 +0.449
春強い女王 +0.436
高難度コース女王 +0.433
予選通過率女王 +0.415
3R大会強さ女王 +0.413

早見表の赤ヘッダーに置いた「3R大会強さ」は+0.413で機能しました。もう一方の「バーディー合戦」は+0.285で平凡でした。

問題は1位です。今日の風速は2.4m/s。風が話題にならない日に、風の女王が相関トップに来ました。先週の片山津でも同じことが起きて、「天候系の指標が天候以外の何かを測っているのではないか」と書きました。

今週は分解できました。

  • 風の女王の番手 × 女王指数の番手 = +0.726

風の女王で上位の選手は、そのまま女王指数でも上位なのです。つまりこの指標は、かなりの部分が「実力の言い換え」になっています。

そこで、女王指数の影響を取り除いた偏相関を計算しました(89名)。

相関 女王指数を除いた偏相関
風の女王 → スコア +0.441 +0.167
女王指数 → スコア +0.467 +0.239

風の女王の見かけの効果 0.441 は、実力を差し引くと 0.167 まで落ちます。**残った0.167が「風以外では説明しにくい部分」**ですが、風速2.4mの日にこれを風の効果と呼ぶのは無理があります。

「風の女王が効いた」のではなく、「強い選手が上に来て、その選手たちがたまたま風の女王でも上位だった」。今日についてはこう読むのが素直です。天候系の指標を単独で使わない、という当サイトの運用方針は、この方向で正しかったことになります。

④ 地元開催は、やはり集団を底上げしていない

大会展望で、こう書きました。「地元の後押しは、集団を底上げするのではなく、特定の選手に効く」。初日の結果は、この読み方をそのまま裏づけました。

グループ 人数 初日平均
岐阜県出身 5名 70.40
愛知県出身 6名 73.00
東海勢 合計 11名 71.82
全体 108名 72.06

東海勢の平均は全体より0.24打だけ良い、という程度です。ところが上位2人(入谷選手・神谷そら選手)を除いた9人の平均は73.22で、全体平均より1.16打悪くなります。

11人が同じ地元の後押しを受けて、抜け出したのは2人。展望で紹介した昨年の構図(11人中トップ20入りは2人)と、ほとんど同じ形です。

⑤ コースはどう出たか

ホール 対パー
最難 14番(パー4・385Y・HCP1) +0.3148
2番目 7番(パー4・390Y・HCP2) +0.2407
3番目 13番(パー4・400Y・HCP3) +0.1667
最易 15番(パー5・480Y) -0.2870
2番目 8番(パー4・335Y) -0.1759

15番はイーグル1つとバーディー39個が出て、108名中87.0%がパーオン。逆に14番はボギー28・ダブルボギー6で、パーセーブ率は68.5%まで落ちました。

首位の入谷選手は、この最難14番をパーで通過し、2番目に難しい7番でバーディーを奪っています。

昨年(2025年)の初日平均は71.70でしたから、今年は0.37打だけ難しい立ち上がりでした。

⑥ 明日の見どころ

予選カットは2日目終了時点で50位タイまで。今日は71(-1)までがちょうど50名、72(イーブンパー)が51位タイ。初日を終えた時点で、カットラインがぴたりと1打のところに来ています。

首位と5打差以内(70以下)に33名。佐久間朱莉選手は68で3打差の5位タイ、菅楓華選手は69で4打差、メルセデス1位の桑木志帆選手は70で5打差につけています。持ち味ランキングで11指標1番手の佐久間選手は、まだ十分に射程内です。

明日も伸ばし合いになるなら、今日と同じくパットの1打が順位を分けます。


データ出典:JLPGA公式サイト(フルリーダーボード/ホールバイホール/スタッツ/ホールサマリ/大会概要・天候、いずれも2026年9月18日)、持ち味ランキングは当サイト独自集計(2026年9月13日基準、出場108名内の番手)、メルセデス・ランキングはJLPGA公式発表の2026年9月13日時点。

※相関はすべてピアソンの積率相関係数です。指標の番手は「小さいほど上位」、スコアも「小さいほど良い」ため、正の相関=その指標が効いたという読み方になります。実測スタッツのうちパット数だけは「小さいほど良い」ため同じく正、パーオン・フェアウェイキープ・飛距離は「大きいほど良い」ため負の相関が「効いた」を意味します。

※偏相関は、風の女王と女王指数の両方に番手がついた89名で計算しています。

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