パーオン率もフェアウェイキープ率も上がったのに、コースは1日で0.37打難しくなった|ニトリレディス2026 R2
中断と日没を挟んだ変則の1日。差がついたのはグリーンの上で、上位3人は全員が北海道出身でした。
まず、どんな1日だったかを整理します。
8月28日は早朝の悪天候予報でスタートが135分繰り下げられ、さらに12時05分に雷雲接近で競技が中断。15時12分に再開したものの、17時52分に日没でサスペンデッドとなり、20組58人が第2ラウンドを終えられませんでした。翌29日午前6時30分から再開し、そこでようやく114名の第2ラウンドが出揃っています。
① 技術の数字は上がったのに、スコアは悪くなった
今日いちばん面白いのはここでした。
| 初日 | 2日目 | |
|---|---|---|
| コース平均対パー | +1.371 | +1.737 |
| パーオン率 | 61.1% | 65.2% |
| フェアウェイキープ率 | 51.2% | 55.0% |
| バーディ | 272 | 248 |
| ボギー | 374 | 380 |
フェアウェイにも置けるようになり、グリーンにも乗るようになったのに、スコアは0.37打悪くなりました。
初日は「フェアウェイに置けたのは2回に1回」というコースでした。2日目はそこが改善しています。それでもバーディが24個減り、ボギーが6個増えた。
つまり、差がついたのはグリーンの上です。
JLPGA公式に載った選手コメントも、そのまま同じことを言っています。
「再開後の後半は、雨が降ったことでグリーンのイメージが合わなくて難しく感じました」(永井花奈選手) 「再開後は特にバーディーパットが全然入らなかった」(倉林紅選手)
乗せてもグリーンが読めない。雨と中断で、勝負どころが1日でティーからカップに移った1日でした。
② 午前と午後で、0.85打の差
2日目のスタート時刻別に平均を取ると、はっきり差が出ています。
| 人数 | 平均対パー | ベスト | |
|---|---|---|---|
| 午前スタート | 56名 | +1.304 | 69 |
| 午後スタート | 58名 | +2.155 | 68 |
0.85打の差です。初日は午前+1.407/午後+1.333とほぼ差がありませんでしたから、この差は2日目に生まれたものです。
午後組は中断・日没・翌朝への持ち越しをまるごとかぶった側でした。同じコースを回っても、条件が同じではなかったということです。
③ 15番パー4、114人でバーディ1個
ホール別で見ると、1つのホールが突出しています。
| ホール | 対パー | バーディ | ボギー | ダブルボギー |
|---|---|---|---|---|
| 15番(パー4/420ヤード) | +0.439 | 1 | 36 | 6 |
| 5番(パー4/400ヤード) | +0.254 | 10 | 31 | 4 |
| 16番(パー4/410ヤード) | +0.246 | 7 | 33 | 1 |
| 2番(パー4/410ヤード) | +0.228 | 9 | 31 | 2 |
| 14番(パー3/215ヤード) | +0.228 | 6 | 26 | 3 |
114人が回って、15番でバーディを取ったのは1人だけ。 ボギー36とダブルボギー6で、42人が落としています。初日も+0.310で最難だったホールが、さらに厳しくなりました。
もうひとつ効いたのがパー5で稼げなくなったことです。9番パー5(490ヤード)は初日-0.259だったのが2日目は**-0.044**まで落ちています(+0.215の悪化)。取れるところで取れず、落とすところで落とす。 平均が悪化した中身はこれです。
④ 上位3人が、全員北海道出身になりました
初日は「北海道出身7人のうち6人が9位タイ以内」と書きました。2日目で、さらに絞られました。
| 順位 | 選手 | 出身 | R1 | R2 | 通算 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 内田 ことこ選手 | 北海道 | 69 | 69 | -6 |
| 2タイ | 宮澤 美咲選手 | 北海道 | 70 | 69 | -5 |
| 2タイ | 阿部 未悠選手 | 北海道(恵庭市) | 70 | 69 | -5 |
| 4 | 髙久 みなみ選手 | 福島県 | 69 | 71 | -4 |
| 5タイ | 永井 花奈選手 | 東京都 | 72 | 69 | -3 |
トップ3が全員、北海道の出身です。
なかでも内田ことこ選手の69は、3バーディ・ノーボギー。この日ノーボギーで回れたのは114人中3人(内田選手、永井花奈選手、倉林紅選手)だけでした。荒れた日に、1つも落とさなかった。
そして正直に書くと、内田ことこ選手は今季ここまでトップ10がゼロです。最高が19位で、直近3戦も25位タイ・92位・38位タイ。2021年プロ入りの93期生で、北海学園札幌高校の出身です。その選手が、地元・北海道で単独首位に立っています。
一方、昨年の覇者・鈴木愛選手は69から79へ。10打落として通算+4となり、予選を通過できませんでした。初日8人の首位タイの1人だった選手です。
⑤ 赤ヘッダーの「雨の女王」は、空振りに近い結果でした
2日目の早見表では、雨の予報を受けて赤ヘッダーを難コース強さと雨の日女王に差し替えました。結果はこうです。
| 持ち味ランキング | 2日目単日 | 36ホール通算 |
|---|---|---|
| 難コース強さ女王 | +0.296 | +0.524 |
| 雨の日女王 | +0.185 | +0.362 |
| TOP10率女王 | +0.339 | +0.425 |
| 予選通過率女王 | +0.336 | +0.467 |
| 夏の女王 | +0.307 | +0.315 |
| 直近5戦の勢い | +0.305 | +0.169 |
雨の日女王は+0.185で、単日では下から数えたほうが早い位置でした。 出場者内1番手だった藤本愛菜選手は通算+4で予選落ちしています。
CAT Ladiesで2度「雨の女王が上位に来たが実際は晴れだった」と書きました。今回は実際に雨が絡んだのに、効かなかった。 どちらの向きでも、この指標が今のところ機能していないことになります。
一方で難コース強さは36ホール通算+0.524で、また1位。初日の+0.487から上がりました。日を追って上がる形は、これで4週連続です。
なお地元開催女王は2日目単日で+0.092と、ほとんど効きませんでした。上位3人が北海道出身であることと、指標としての数字が一致していません。集団としての傾向と、上位3人という「点」は別のものです。
⑥ カットラインは+3、67名が通過
予選通過ラインは通算+3(147)で67名。オーバーパーでの通過ラインは、コースの難しさをそのまま表しています。
メルセデス上位で通過できなかったのは、9位の鈴木愛選手(+4)、14位の藤本愛菜選手(+4)、30位の笠りつ子選手(+5)、31位のサイ ペイイン選手(+4)、35位の加藤麗奈選手(+5)。
ニトリ所属7人のうち、5人が通過しました(菅楓華選手、岡山絵里選手、小祝さくら選手、佐藤心結選手、六車日那乃選手)。寺岡沙弥香選手と福田萌維選手が予選落ちです。
また、テレサ・ルー選手と常文恵選手が第2ラウンドを回っていません。
⑦ ここからのポイント
- 内田ことこ選手が単独首位。今季トップ10ゼロの選手が、地元で初めていい位置にいます
- 北海道勢。トップ3を占め、出場7人のうち6人が予選を通過しました
- 午後組の0.85打。もし今後も時間帯で条件が変わるなら、順位表は「同じ条件で戦った結果」ではなくなります
- 15番パー4。2日間で114人中バーディ1個。ここをパーで通せるかが、残りのラウンドの分かれ目になりそうです
出場選手の持ち味は初日早見表・2日目早見表、大会全体の見立ては展望コラム、初日の詳細はR1振り返りから。
引用・参照
- JLPGA公式 ニトリレディスゴルフトーナメント2026 Round2 フルリーダーボード/ホールサマリ/ホールバイホール/スタッツ(参照日:2026-08-29)
- 競技の中断・再開・サスペンデッドの時刻、および選手コメントは JLPGA公式ニュース「第2Rはサスペンデッド 髙久、金田、小林が4アンダーで暫定首位」(2026年8月28日)に準拠
- 出身地・プロ入り年・入会期・出身校は当サイトDB、所属はJLPGA公式ペアリング表に準拠
- 持ち味ランキングの番手・相関は当サイト編集部の集計(指標は2026年8月23日スナップショット、番手は出場116名内。Pearson相関、番手×2日目単日スコアおよび番手×36ホール通算、全32指標を確認)
- 実測スタッツは公式スタッツ掲載分を当サイトで再集計
- 午前/午後別の平均は、JLPGA公式ペアリング(2日目)と2日目スコアを当サイトで突合して算出
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