17番で50人中18人が落とし、18番を3回。福田萌維選手がプレーオフでツアー初優勝|ゴルフ5レディス2026 大会総括
初日と最終日、同じ50人で並べ直すと合計打数は1打も違いませんでした。難しかったのは2日目だけです。
福田萌維選手が通算-15(66-67-68)でプレーオフを制し、ツアー初優勝を飾りました。
① 18番を3回。決着はバーディでした
54ホールで並んだのは、福田萌維選手と木戸愛選手。ともに-15(201)です。
| プレーオフ(18番・パー4) | 1回目 | 2回目 | 3回目 |
|---|---|---|---|
| 木戸 愛選手 | 4 | 4 | — |
| 福田 萌維選手 | 4 | 4 | 3 |
2回はどちらもパー。3回目に福田選手がバーディを取って決まりました。
本編の最終日はこうです。
| 福田 萌維選手 最終日 | |
|---|---|
| スコア | 68(-4) |
| 前半/後半 | 31/37 |
| バーディ | 6 |
| ダブルボギー | 1(17番) |
| パーオン | 16/18 |
| パット | 30 |
前半31。 後半は6ホール続けてパーで進み、17番でダブルボギー。ここで並ばれてプレーオフに入りました。舞台が18番だったので、17番で落とした2打を、18番を3回かけて取り返した格好になります。
福田萌維選手は和歌山県岩出市の出身、2024年プロ入りの97期生。前週のニトリレディスは97位でした。優勝賞金は1,260万円です。
② 17番は、50人中18人が落としていました
福田選手のダブルボギーは、この日の17番では珍しい出来事ではありませんでした。
| 17番(パー4・414ヤード) | 初日 | 2日目 | 最終日 |
|---|---|---|---|
| 平均対パー | +0.130 | +0.076 | +0.360 |
| ボギー以上 | 20人(108人中) | 20人(106人中) | 18人(50人中) |
| バーディ | 10 | 15 | 3 |
最終日の17番は、50人中18人がボギー以上。バーディは3人だけです。平均+0.360は、18ホールで唯一の「0.3打以上」でした。
最終日の平均は-2.96で、18ホール中14ホールがアンダーパー。いちばん伸びた日に、いちばん厳しくなったホールが17番でした。優勝争いの最後の分岐点が、まさにここに置かれていたことになります。
③ 木戸愛選手の65は、パット24
2位の木戸愛選手は、最終日65(7バーディ・ノーボギー)。前半30、後半35です。
| 木戸 愛選手 | パーオン | パット | スコア |
|---|---|---|---|
| 初日 | 16/18 | 31 | 69 |
| 2日目 | 14/18 | 27 | 67 |
| 最終日 | 13/18 | 24 | 65 |
乗せた数は日ごとに減り、パットも日ごとに減り、スコアは日ごとに縮まりました。 最終日のパット24は、この日の全体平均29.5より5つ半少ない数字です。
36ホール終了時は-8の3位タイ。そこから7つ伸ばして、首位に並びました。神奈川県横須賀市の出身、2008年プロ入りの80期生。今季は6月のヨネックスレディスでも2位に入っており、これがシーズン2度目の2位です。
そしてこの日のベストスコアは、ウー チャイェン選手の63でした。
| ウー チャイェン選手 最終日 | |
|---|---|
| スコア | 63(-9) |
| 前半/後半 | 29/34 |
| バーディ | 10 |
| パーオン | 17/18 |
| パット | 28 |
前半29。 36ホール終了時の-5・18位タイから、通算-14の3位タイまで上がりました。
④ 初日と最終日は、まったく同じ難しさでした
全員ベースの平均だけ見ると、最終日が突出して易しく見えます。
| 初日 | 2日目 | 最終日 | |
|---|---|---|---|
| 対象人数 | 108名 | 106名 | 50名 |
| 平均対パー | -0.759 | -0.406 | -2.96 |
でも最終日は予選を通過した50名だけです。3日間を回った同じ50人で並べ直します。
| 同じ50名の合計打数 | 平均対パー | |
|---|---|---|
| 初日 | 3,452 | -2.96 |
| 2日目 | 3,512 | -1.76 |
| 最終日 | 3,452 | -2.96 |
初日と最終日の合計が、50人分で1打も違いませんでした。 どちらも3,452、平均69.04です。
つまり最終日が特別に易しかったのではなく、難しかったのは2日目だけでした。全員ベースで最終日が2打以上易しく見えるのは、上位50人しか回っていないからです。
先週のニトリレディスでも、CAT Ladiesでも同じ罠がありました。カットのある大会で日ごとの難易度を比べるときは、母集団を揃えないと逆の結論が出ます。 今回はそれが、合計打数の完全一致という形で出ました。
ただし、コースの中身は同じではありませんでした。
| 9番(パー4・386ヤード) | 初日 | 2日目 | 最終日 |
|---|---|---|---|
| 平均対パー | +0.204(18ホール中最難) | +0.104 | -0.660(18ホール中最易) |
| バーディ | 12 | 15 | 30 |
| イーグル | 0 | 0 | 2 |
| パーオン率 | 50.0% | 55.7% | 96.0% |
初日にいちばん難しかった9番が、最終日はいちばん易しいホールになりました。 50人中30人がバーディ、2人がイーグル、パーオン率96%。ティーの位置は公式データに載っていないので理由は書けませんが、同じホールで初日と最終日に0.86打の差が出ています。
平均が同じでも、伸びるホールと落とすホールは入れ替わっていた——3日間はそういう構成でした。
⑤ 主役は、パット→パーオン→パットと入れ替わりました
実測スタッツとスコアの相関です。
| 実測スタッツ | 初日 | 2日目 | 最終日 |
|---|---|---|---|
| パーオン数 | -0.452 | -0.553 | -0.515 |
| パット数 | +0.568 | +0.505 | +0.555 |
| フェアウェイキープ | -0.245 | -0.241 | -0.401 |
| 飛距離 | -0.266 | -0.351 | -0.258 |
初日はパット、2日目はパーオン、最終日はまたパット。 日替わりで主役が入れ替わりました。
木戸愛選手のパット24、ウー チャイェン選手のパーオン17/18、福田萌維選手のパーオン16/18で30パット。上位3人が、それぞれ違う勝ち筋で同じスコア帯に来ています。
もう1つ、フェアウェイキープが最終日に-0.401まで上がりました。3日間で最強です。パーオン率78.6%と「乗せる」ことがほぼ当たり前になった日に、ティーショットの置き所で差がつき始めた、という読み方をしています。
⑥ 赤ヘッダーの2つが、そろって上位に残りました
54ホール通算と持ち味ランキングの相関です(3日間を完走した50名で算出)。
| 持ち味ランキング | 36H | 最終日単日 | 54H通算 |
|---|---|---|---|
| パーオン女王 | +0.407 | +0.630 | +0.647 |
| TOP10率女王 | +0.554 | +0.479 | +0.642 |
| 賞金効率女王 | +0.486 | +0.534 | +0.638 |
| ピーク力女王 | +0.504 | +0.508 | +0.632 |
| 難コース強さ女王 | +0.359 | +0.630 | +0.627 |
| アンダーパー女王 | +0.524 | +0.473 | +0.620 |
| 3R大会強さ女王 | +0.409 | +0.550 | +0.603 |
最終日の早見表で赤ヘッダーに据えたアンダーパー女王とパーオン女王が、どちらも54ホール通算の上位に入りました。とくにパーオン女王が+0.647で全体1位です。
そして今週も、日数が増えるほど数字が上がる形が出ています。パーオン女王は36ホールの+0.407から54ホールで+0.647へ。難コース強さも+0.359から+0.627へ上がりました。
難コース強さについては、訂正が必要です。先週の総括で「削り合う条件でこそ効く指標で、易しい日には出番が少ない」と書きました。ところが平均-2.96という今季屈指に伸びた日で、単日+0.630。2日目の+0.461に続いて、易しい日にも効きました。名前は「難しいコースに強い」ですが、実際に測っているのは条件を問わない総合的な地力なのかもしれません。 ここは指標の説明を見直します。
なおまくり女王は最終日単日で+0.337。今季ほとんど機能していなかった指標が、久しぶりにプラス方向で反応しました。ただし対象40名で、この程度の数字では「効いた」と言い切れません。
⑦ データ本命はどうだったか
展望で挙げた3人の最終成績です。
| 選手 | 最終日 | 通算 | 順位 |
|---|---|---|---|
| 佐久間 朱莉選手 | 66 | -11 | 9位タイ |
| 荒木 優奈選手(昨年覇者) | 67 | -11 | 9位タイ |
| 菅 楓華選手 | 67 | -9 | 18位タイ |
3人ともトップ20には入りましたが、優勝争いには届きませんでした。荒木優奈選手は初日67の4位タイから入りながら、2日目71で下がった分を戻しきれていません。
代わりに上に来たのが、36ホール終了時に首位だった福田萌維選手(メルセデス51位)、3位タイだった木戸愛選手(同30位)、そして**18位タイから63で駆け上がったウー チャイェン選手(同15位)**でした。
⑧ 3日間のまとめ
- 福田萌維選手がプレーオフ3ホール目のバーディでツアー初優勝。本編は17番のダブルボギーで並ばれてからの巻き返しでした
- その17番は50人中18人がボギー以上。いちばん伸びた日に、いちばん厳しかったホールです
- 木戸愛選手はパット24の65で並び、2位。今季2度目の2位です
- ウー チャイェン選手の63が大会ベスト。前半29で10バーディでした
- 初日と最終日は、同じ50人で見ると合計打数が完全に一致(ともに3,452)。難しかったのは2日目だけ。ただし9番は最難から最易へと入れ替わっていました
- パーオン女王が54ホール通算+0.647で1位。赤ヘッダーのアンダーパー女王(+0.620)とともに機能しました
- 難コース強さは易しい日にも効いた——指標の説明を見直します
各ラウンドの詳細は展望・R1・R2から。出場選手の持ち味は初日・2日目・最終日の早見表でご覧いただけます。
引用・参照
- JLPGA公式 ゴルフ5レディスプロゴルフトーナメント2026 Round3 フルリーダーボード/ホールサマリ/ホールバイホール/スタッツ/プレーオフ記録(参照日:2026年9月6日)
- 出身地・プロ入り年・入会期は当サイトDB(検証済みデータのみ使用)
- メルセデス・ランキングはJLPGA公式(2026年8月30日時点。当大会の反映前)
- コース平均対パーは、出場者全員ベースと、3日間を完走した50名に揃えたベースの両方を当サイトで算出
- ホール別の数値はJLPGA公式ホールサマリ(初日108名/2日目106名/最終日50名)
- 持ち味ランキングの相関は当サイト編集部の集計(指標は2026年8月30日スナップショット。Pearson相関。36H・最終日単日・54H通算の比較は範囲を揃えるため完走50名のみで再計算)
- 実測スタッツとスコアの相関は、公式スタッツ掲載分を当サイトで再集計(初日108名/2日目106名/最終日50名)
- 予選通過ラインは通算-2(142)で50名(JLPGA公式の第3ラウンド組み合わせに基づく)
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