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試合解説2026/08/09

吉澤柚月選手が-8で優勝──3日間で最難の15番を、最終日にバーディで獲った2人のうちの1人だった|北海道meijiカップ2026 総括

表彰台を独占したのは女王指数19・20・22番手。1・2・6番手は予選落ちした。それでも指標は「当たっていた」と言える理由。

吉澤柚月選手が通算-8で、JLPGAツアー初優勝を飾った。 69-70-69。2位に永井花奈選手(-6)、3位に安田祐香選手(-5)。

千葉県市川市出身の22歳(2003年11月23日生まれ)。麗澤高校から日本ウェルネススポーツ大学へ進み、2023年度のプロテストに11位(通算-8)で合格した96期生だ。今季5月のリゾートトラスト レディスではプレーオフで敗れており、その雪辱を3か月後に果たしたことになる。

平均+1.74/+2.08/+0.70という3日間で、-8という数字がどれだけの価値を持つかは、ここまでの2本を読んでくださった方には伝わると思う。事実、3日間すべてをアンダーパーで回れたのは108人中4人だけで、その4人が優勝・2位・4位タイ・4位タイを占めた。

3日間オールアンダーの4人 R1 R2 R3 最終
吉澤 柚月選手 69 70 69 優勝
永井 花奈選手 70 71 69 2位
金澤 志奈選手 71 71 70 T4
菅 楓華選手 71 71 70 T4

崩れないこと。 それがこの大会の唯一の勝ち筋だった。

① 決着は、この大会でいちばん難しいホールで起きた

3日間を通じて、15番パー4(400ヤード)だけは一度も緩まなかった。

ラウンド 15番の対パー バーディ数
R1 +0.28 4/108人
R2 +0.37 5/105人
R3 +0.30 2/50人

最終日、15番でバーディを獲ったのはたった2人。吉澤柚月選手と金澤志奈選手だった。

そしてその2人が、優勝と4位タイに入っている。吉澤選手は14番・15番の連続バーディで抜け出し、17番のボギーを差し引いても69でまとめた。3日間ずっと選手を苦しめたホールを、勝負どころで獲った選手が勝った。 これ以上わかりやすい決着はない。

この日のベストスコアは穴井詩選手の66(-6)。17/18パーオンという内容で、後半9ホールだけで5バーディを奪い、75→66の巻き返しで4位タイに飛び込んだ。

② 3日間、この大会はずっと「乗せる力」の大会だった

毎日、全選手のスタッツとスコアの相関を取った。結果は驚くほど安定していた。

実測スタッツ R1 R2 R3
パーオン数 -0.633 -0.660 -0.645
パット数 +0.437 +0.372 +0.215
飛距離 -0.137 -0.277 -0.192
フェアウェイキープ -0.105 -0.232 +0.085

3日間すべてでパーオンが-0.6台。 ここまで一貫した大会は珍しい。フェアウェイキープに至っては最終日にプラス(=効かない)に転じており、「曲げないこと」ではなく「乗せること」だけが問われた3日間だった。

先週のいい部屋ネットレディスは、これと真逆だった。通過ラインが-5の超ロースコア決戦で、勝敗を分けたのはパット数。2週間で、ゴルフというゲームの問われ方がここまで変わる。 女子プロゴルフを毎週追う面白さは、この振れ幅にあると思っている。

③ 表彰台は女王指数19・20・22番手──1・2・6番手は予選落ち

今大会の答え合わせは、少し込み入っている。

選手 最終 女王指数(出場108名内)
吉澤 柚月選手 優勝 19
永井 花奈選手 2位 20
安田 祐香選手 3位 22
佐久間 朱莉選手 予選落ち 1
髙橋 彩華選手 予選落ち 2
神谷 そら選手 予選落ち 6

表彰台の3人が、19・20・22番手できれいに並んだ。 そして総合力トップ3のうち2人が決勝ラウンドに残れなかった。

これだけ見れば「指標は外れた」ように映る。だが帯ごとに集計すると、まったく違う絵になる。

女王指数の帯 人数 予選通過率 トップ10
1〜10番手 10人 70.0% 4人
11〜20番手 10人 80.0% 2人
21〜40番手 20人 50.0% 2人
41番手以下 58人 39.7% 2人

上位20人からトップ10入りが6人、41番手以下の58人からは2人だけ。 通過率もきれいな階段になっている。

前回のR1振り返りで「この道具で言えるのは、誰が勝つかではなく、誰が上位に来やすいかまで」と書いた。3日間を終えて、その通りの結果になった。優勝した吉澤選手は19番手──まさに「上位20人」の中から出ている。

④ 最終日に突然効いた「夏の女王」

もう一つ、明確な発見があった。

夏の女王との相関
R1単日 +0.119
R2単日 +0.263
R3単日 +0.451
54H通算 +0.467

日を追うごとに効き目が強まり、最終日には+0.451。全32指標のなかで断然のトップだった。予選通過50名を帯で割ると、こうなる。

夏の女王の番手 人数 54H通算の平均
1〜20番手 14人 -0.29
21〜40番手 12人 -0.83
41番手以下 20人 +2.25

夏に強い上位40人と、41番手以下で3打近い差がついた。8月の3日間競技、しかも耐える展開が続いたラウンド。夏場に結果を出してきた選手ほど、最後まで落ちなかったということだろう。

初日にほぼ効かなかった指標が最終日に主役になる——持ち味は「大会に効く/効かない」ではなく「どのラウンドで効くか」で見るべきだという、今週の一番の収穫だった。

⑤ 道産子と、今大会の顔ぶれ

北海道出身7名のうち5名が予選を通過した。

順位 選手 出身 通算
T8 阿部 未悠選手 恵庭市 -3
T17 小祝 さくら選手 北広島市 ±0
T25 政田 夢乃選手 札幌市 +1
T25 内田 ことこ選手 北海道 +1
T25 吉本 ここね選手 札幌市 +1

地元最上位は阿部未悠選手のT8。最終日は69で、道産子として唯一のトップ10入りを果たした。早見表で「地元開催2番手」と紹介した選手が、実際に地元で最上位に来た形になる。

そのほか、女王指数90番手の蛭田みな美選手がT891番手の辻梨恵選手がT13と、下位番手からの健闘も目立った。昨年覇者の河本結選手はT35、先週優勝の加藤麗奈選手はT47。連戦の夏は、簡単には続かない。


3日間の分析はR1振り返りR2振り返り、出場108名の持ち味は初日早見表、各選手の持ち味は持ち味ランキング一覧から。吉澤柚月選手、優勝おめでとうございます。


引用・参照

  • JLPGA公式 北海道meijiカップ2026 フルリーダーボード/ホールサマリ/ホールバイホール/スタッツ(参照日:2026-08-09)
  • 出身地・プロ入り年・過去成績は当サイトDB、所属はJLPGA公式ペアリング表に準拠
  • 持ち味ランキングの番手・相関は当サイト編集部の集計(指標は2026-07-26スナップショット、番手は出場108名内。Pearson相関、番手×各ラウンド単日スコアおよび番手×54ホール通算、全32指標を確認)
  • 実測スタッツとスコアの相関は、公式スタッツ(R1=108名/R2=105名/R3=50名)を当サイトで再集計
  • 帯別の集計はいずれも当サイトによるもの。R3および54H通算の集計対象は予選通過50名

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