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試合解説2026/08/16

安田祐香選手、3日間で26バーディ・ボギー3個の完全V──指標の相関は+0.239→+0.431→+0.458と、日を追って上がり続けた|NEC軽井沢72 2026 総括

18年前に同じNEC所属の選手が作った大会記録を、2打更新した3日間。そして「1日では読めないが、積むほど当たる」がまた証明された。

安田祐香選手が通算-23で優勝した。 61-64-68。初日から一度も首位を譲らない完全優勝で、JLPGAツアー通算3勝目、今季初勝利となった。

内容は記録尽くしだった。

樹立した記録 内容
大会新記録 通算-23(従来は2008年・原江里菜選手の-21を2打更新)
JLPGAツアー新記録 36ホール最少ストローク125(従来記録を1打更新)
JLPGAツアー新記録 3日間競技での最多バーディー優勝26個(従来はA.ソレンスタム選手の24個)
コースレコードタイ 初日の61

そして、更新された大会記録の保持者だった原江里菜選手は、同じNEC所属で今大会に出場していた(通算-4のT42)。18年前に先輩が作った数字を、後輩が同じ会社の看板を背負って塗り替えたことになる。

① 3日間で、ボギーは3個だけ

26バーディという数字が目を引くが、当サイトが驚いたのはこちらだった。

安田祐香選手 R1 R2 R3 3日間
スコア 61 64 68 193(-23)
バーディ 11 9 6 26
ボギー 0 1 2 3
パーオン 15/18 17/18 14/18 46/54
パット数 22 27 28

54ホールを回って、落としたのは3打。 伸ばした数より、崩れなかったことのほうが際立っている。

しかも作り方が毎日違う。初日は「パットで作った61」(15/18パーオン・22パット)、2日目は「乗せて作った64」(17/18・27パット)、最終日は14/18まで落ちながら28パットで守り切った。 3日連続で、違う武器で同じ結果を出している。

② 最終日、7打差は一度4打差まで縮まった

独走に見えた最終日にも、揺れる場面はあった。

1番でティーショットを右に曲げてボギー。5番はパーオンしながら3パットのボギー。 出だし5ホールで2つ落とし、7打あったリードは4打差まで縮まっている。

そこから8番パー3(ピン右上5メートル)、9番(2メートル)と連続バーディで前半をイーブンに戻し、後半は10番6メートル・11番5メートルを立て続けに沈めて再び突き放した。前半36・後半32。 崩れかけた30分を、2つのバーディで断ち切った形だった。

2位タイには岡山絵里選手と菅楓華選手が-16で並んだ。両者とも最終日68。追う側も落ちてはいない。7打差は、追う側のミスで開いたのではなく、単に前がいなくならなかった。

なお最終日のベストスコアは66で、小祝さくら選手・河本結選手・神谷桃歌選手・金田久美子選手の4人。コース平均は-1.56と、2日目(-0.46)より再び易しくなった。

③ 「1日では読めないが、積むほど当たる」が証明された

今大会でいちばんはっきりしたのは、この推移だった。

直近5戦の勢いとの相関
R1のみ +0.239
36H通算 +0.431
54H通算 +0.458

日を追って、きれいに上がり続けた。 他の指標も同じ方向を向いている。

持ち味ランキング R1のみ 54H通算
直近5戦の勢い +0.239 +0.458
予選通過率女王 +0.407
3R大会強さ女王 +0.162 +0.361
女王指数(総合力) +0.156 +0.337

初日は108人中78人がアンダーパーという「誰でも伸ばせる日」だった。そこでは実力差がスコア差にならない。 2日目にコースが1.6打難化し、3日分が積み上がって、ようやく指標どおりに並んだ。

先週の北海道meijiカップでも、女王指数の帯別で予選通過率がきれいな階段になっていた。2週続けて同じ形が出たので、これはもう法則として書いていいと思う。持ち味ランキングは1ラウンドを予想する道具ではなく、複数ラウンドの傾向を測る道具である。

④ ただし、相関が出ても意味があるとは限らない

正直に書いておきたいことがある。

最終日単日でいちばん高い相関を示したのは、実は地元開催女王(+0.521)だった。だが今大会に長野県出身の選手は1人もいない。 地元開催の要素はゼロである。

つまりこれは、地元開催女王が「出身県で強いか」ではなく、実質的に実力の代理変数として働いた結果にすぎない。数字が高く出たからといって、その指標が意味を持っていたとは限らない。

こういう疑似相関は、32指標を毎週総当たりしていると必ず紛れ込む。上位に来た指標を無条件に信じないことも、データを扱う側の仕事だと考えている。

⑤ 早見表の答え合わせ

最終日の早見表では、守り切りまくりを赤ヘッダーに据えた。

守り切りについては、こう書いていた——「首位・安田祐香選手の守り切りは算出対象外。データのない領域に入る」

結果は、その領域で完全優勝だった。7月のいい部屋ネットでも、守り切りが未算出の加藤麗奈選手が3日間首位を守って初優勝している。1か月で2度、「データのない選手が守り切った」ことになる。 これは指標の欠落というより、リードして最終日を迎える経験そのものが、まだ蓄積されていない選手にもチャンスがあるという、ツアーの層の厚さの話なのだろう。

一方まくりは当たった。最終日66を出した4人のうち、**小祝さくら選手(まくり4番手)と河本結選手(同2番手)**が含まれ、河本選手はT12まで浮上している。7月のいい部屋ネットでは逆相関だった指標が、今週は機能した。

そしてもうひとつ、初日と最終日で同じ光景が繰り返された。

パーオン パット スコア
初日・金田久美子選手 18/18 32 68
最終日・岡山絵里選手 18/18 32 68

全ホール乗せて32パットの68。 別の選手が、別の日に、まったく同じ数字を出した。乗せるだけでは足りないことを、この大会は2度示した。


⑥ 週の終わりに

62名が決勝に進み、鳥居さくら選手が最終日に失格、5名が競技を終えられませんでした。真夏の3日間、気温は23.2℃・19.6℃・22.1℃と軽井沢らしい涼しさでしたが、それでも簡単な週ではなかったと思います。

前週の北海道meijiカップで、安田選手は最終日を首位で迎えながら3位に終わっています。その1週間後に、記録尽くしの完全優勝。 悔しさの晴らし方として、これ以上の形はないでしょう。

3日間の分析は大会展望R1振り返りR2振り返りから。各選手の持ち味は持ち味ランキング一覧で確認できます。

安田祐香選手、優勝おめでとうございます。


引用・参照

  • JLPGA公式 NEC軽井沢72ゴルフトーナメント2026 フルリーダーボード/ホールバイホール/スタッツ/大会概要(参照日:2026-08-16)
  • JLPGA公式ニュース「安田祐香 記録尽くしの完全Vで通算3勝目」(2026-08-16)。記録の内容・最終日の経緯・選手コメントは同記事に準拠
  • 出身地・プロ入り年・過去成績は当サイトDB、所属はJLPGA公式ペアリング表に準拠
  • 持ち味ランキングの番手・相関は当サイト編集部の集計(指標は2026-08-09スナップショット。Pearson相関、番手×各期間スコア、全32指標を確認。54H通算の対象は予選通過61名)
  • コース平均対パー・気温は当サイトDBおよびJLPGA公式大会ページ

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