阿部未悠選手、16ホールをパーで通して首位へ──2バーディ・ノーボギーの70で、地元Vに王手|ニトリレディス2026 R3
全体の平均だけ見れば、3日目は急に易しくなったように見えます。でも同じ67人で並べ直すと、ほぼ横ばいでした。
第2ラウンドの残りを朝6時27分から消化し、11時50分に第3ラウンドがスタート。2日分を1日で回すような日程になりましたが、67名が54ホールを終えました。
① 阿部未悠選手が、16ホールをパーで通した
首位に立ったのは阿部未悠選手。北海道恵庭市の出身で、通算-7です。
| 阿部 未悠選手 3日目 | |
|---|---|
| スコア | 70(-2) |
| バーディ | 2(10番・11番) |
| ボギー | 0 |
| 前半/後半 | 36/34 |
| パーオン | 16/18 |
| パット | 32 |
18ホールのうち16ホールがパー。 前半9ホールは9つ全部パーで、10番・11番の連続バーディだけが動いた場所です。そこから18番まで、また7ホール連続でパー。
16/18パーオンで32パットという数字が、この日の内容をそのまま表しています。乗せて、寄せて、パーで通す。バーディは2つで十分でした。
この日ノーボギーで回れたのは67人中3人だけ(阿部選手、桑木志帆選手、森井あやめ選手)。荒れやすい週で、落とさなかった選手が上に来ています。
阿部選手は7月に明治安田レディスを-20で制しており、今季2勝目が地元・北海道でかかることになりました。
② 桑木志帆選手が、74から66へ
1打差の-6で追うのが桑木志帆選手と髙久みなみ選手です。
| 選手 | R1 | R2 | R3 | 通算 |
|---|---|---|---|---|
| 阿部 未悠選手 | 70 | 69 | 70 | -7 |
| 桑木 志帆選手 | 70 | 74 | 66 | -6 |
| 髙久 みなみ選手 | 69 | 71 | 70 | -6 |
桑木志帆選手の66が、この日のベストスコアでした。6バーディ・ノーボギー、前半33・後半33。2日目に74を叩いた翌日です。
メルセデス・ランキング1位で、この大会は2024年に優勝、2025年も4位タイ。展望で「過去2年でどちらもトップ10に入っているのはこの選手だけ」と書いた選手が、1日で戻ってきました。
4位タイの-5には佐久間朱莉選手(67)、小祝さくら選手(68)、宮澤美咲選手(72)。佐久間選手は6バーディ・1ボギーの67で、前半32。展望で「4R大会強さ・難コース強さ・女王指数すべて出場者内1番手」として挙げた選手が、3日目にようやく上位へ入ってきました。
一方、36ホールを単独首位で折り返した内田ことこ選手は74。4ボギーで通算-4の7位タイに後退しています。
③ 全体平均は下がったが、コースは易しくなっていない
3日目のコース平均対パーは**+0.537**でした。初日+1.371、2日目+1.737でしたから、数字だけ見れば急に易しくなったように見えます。
でも回っている人数が違います。初日116名、2日目114名、3日目は予選を通過した67名だけです。
そこで、3日間を回った同じ67人で並べ直しました。
| 同じ67名の平均対パー | |
|---|---|
| 初日 | -0.507 |
| 2日目 | +0.552 |
| 3日目 | +0.537 |
2日目と3日目は、ほぼ同じ難しさです。 楽になったのではなく、難しい日を生き残った67人だけが回っているから平均が下がった、というだけでした。
先週のCAT Ladiesでも同じ罠がありました(全体では最終日が易しく見えて、同じ52人で見ると日を追って難しくなっていた)。カットのある大会で日ごとの難易度を比べるときは、母集団を揃えないと逆の結論が出ます。
④ 15番と16番が、交互に牙をむいている
3日間の難ホールを並べると、はっきりした形が見えます。
| 15番(パー4/420ヤード) | 16番(パー4/410ヤード) | |
|---|---|---|
| 初日(116名) | +0.310/バーディ4 | +0.285/バーディ5 |
| 2日目(114名) | +0.439/バーディ1 | +0.246/バーディ7 |
| 3日目(67名) | +0.224/バーディ5 | +0.343/バーディ1 |
2日目は15番が114人でバーディ1個、3日目は16番が67人でバーディ1個。 隣り合う2つの長いパー4が、日替わりで「バーディがほぼ出ないホール」になっています。
3日目でいちばん難しかったのは16番(+0.343、ボギー22)。次いで14番パー3(215ヤード/+0.299)でした。逆に9番パー5(490ヤード)は**パーオン率97.0%**で-0.388と、いちばん稼げるホールです。
⑤ 「守り切り」が突然いちばん効いた──ただし対象は12名
3日目終了時点で、54ホール通算といちばん強く結びついた持ち味はこれでした(比較を揃えるため、3日間を完走した67名だけで算出しています)。
| 持ち味ランキング | 初日 | 36H | 54H |
|---|---|---|---|
| 守り切り女王 | +0.212 | +0.272 | +0.639 |
| 賞金効率女王 | +0.073 | +0.304 | +0.422 |
| 直近5戦の勢い | +0.008 | +0.255 | +0.391 |
| 予選通過率女王 | +0.104 | +0.279 | +0.379 |
| 3R大会強さ女王 | +0.170 | +0.275 | +0.358 |
| 難コース強さ女王 | +0.150 | +0.222 | +0.323 |
守り切り女王が+0.639まで跳ねました。 ただしこの指標にデータがあるのは67名中12名です。人数が少ないぶん、数字は大きく振れます。
実際、先週のCAT Ladiesでは同じ指標が54ホール通算で-0.459、つまり符号が逆でした。1週間で+0.639と-0.459を行き来する数字を、そのまま信じるわけにはいきません。対象10名前後の指標は、週ごとに向きが変わる——これは覚えておいたほうがよさそうです。
一方で難コース強さは +0.150 → +0.222 → +0.323 と、また日を追って上がっています。 同じ形は、これで5週連続です。
なお2日目に赤ヘッダーへ据えた雨の日女王は、54ホール通算で+0.170にとどまりました。地元開催女王も+0.122です。首位が北海道出身であることと、指標の数字は一致していません。
⑥ 北海道3人、ニトリ2人が上位に
それでも、顔ぶれは偏っています。
| 順位 | 選手 | 通算 | 北海道 | ニトリ |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 阿部 未悠選手 | -7 | ● | |
| 4タイ | 小祝 さくら選手 | -5 | ● | ● |
| 4タイ | 宮澤 美咲選手 | -5 | ● | |
| 7タイ | 内田 ことこ選手 | -4 | ● | |
| 7タイ | 菅 楓華選手 | -4 | ● |
トップ7に北海道出身が4人、ニトリ所属が2人。小祝さくら選手は北広島市の出身で、両方に当てはまります。
展望で「ニトリ所属8人のうち7人が自社の冠大会に出る」「北海道出身は7人」と書きました。最終日を、その両方が上位で迎えます。
⑦ 最終日のポイント
- 1打差に2人、2打差に3人。阿部未悠選手-7、桑木志帆選手・髙久みなみ選手-6、佐久間朱莉選手・小祝さくら選手・宮澤美咲選手-5。追う側は十分に射程です
- 阿部未悠選手の型。3日目は16ホールをパーで通しました。同じゴルフで逃げ切れるか、それとも伸ばしにいく必要が出るか
- 桑木志帆選手の66。前日74からの立て直しで、勢いは追う側にあります
- 16番パー4。3日目は67人でバーディ1個。上がり3ホールに、この難所が残っています
出場選手の持ち味は初日早見表・2日目早見表、これまでの分析は展望・R1振り返り・R2振り返りから。
引用・参照
- JLPGA公式 ニトリレディスゴルフトーナメント2026 Round3 フルリーダーボード/ホールサマリ/ホールバイホール/スタッツ(参照日:2026-08-29)
- 第2ラウンド再開時刻(6時27分)と第3ラウンド開始時刻(11時50分)は JLPGA公式ニュース「地元Vへ王手 阿部未悠が首位で最終日へ」(2026年8月29日)に準拠
- 出身地・プロ入り年・契約状況は当サイトDB(検証済みデータのみ使用)
- コース平均対パーは、出場者全員ベースと、3日間を完走した67名に揃えたベースの両方を当サイトで算出
- 持ち味ランキングの相関は当サイト編集部の集計(指標は2026年8月23日スナップショット。Pearson相関。初日・36H・54Hの比較は範囲を揃えるため完走67名のみで再計算)
- 先週のCAT Ladiesの相関値は当サイト同大会総括コラムに準拠
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