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試合解説2026/08/29

阿部未悠選手、16ホールをパーで通して首位へ──2バーディ・ノーボギーの70で、地元Vに王手|ニトリレディス2026 R3

全体の平均だけ見れば、3日目は急に易しくなったように見えます。でも同じ67人で並べ直すと、ほぼ横ばいでした。

第2ラウンドの残りを朝6時27分から消化し、11時50分に第3ラウンドがスタート。2日分を1日で回すような日程になりましたが、67名が54ホールを終えました。

① 阿部未悠選手が、16ホールをパーで通した

首位に立ったのは阿部未悠選手。北海道恵庭市の出身で、通算-7です。

阿部 未悠選手 3日目
スコア 70(-2)
バーディ 2(10番・11番)
ボギー 0
前半/後半 36/34
パーオン 16/18
パット 32

18ホールのうち16ホールがパー。 前半9ホールは9つ全部パーで、10番・11番の連続バーディだけが動いた場所です。そこから18番まで、また7ホール連続でパー。

16/18パーオンで32パットという数字が、この日の内容をそのまま表しています。乗せて、寄せて、パーで通す。バーディは2つで十分でした。

この日ノーボギーで回れたのは67人中3人だけ(阿部選手、桑木志帆選手、森井あやめ選手)。荒れやすい週で、落とさなかった選手が上に来ています。

阿部選手は7月に明治安田レディスを-20で制しており、今季2勝目が地元・北海道でかかることになりました。

② 桑木志帆選手が、74から66へ

1打差の-6で追うのが桑木志帆選手髙久みなみ選手です。

選手 R1 R2 R3 通算
阿部 未悠選手 70 69 70 -7
桑木 志帆選手 70 74 66 -6
髙久 みなみ選手 69 71 70 -6

桑木志帆選手の66が、この日のベストスコアでした。6バーディ・ノーボギー、前半33・後半33。2日目に74を叩いた翌日です。

メルセデス・ランキング1位で、この大会は2024年に優勝、2025年も4位タイ。展望で「過去2年でどちらもトップ10に入っているのはこの選手だけ」と書いた選手が、1日で戻ってきました。

4位タイの-5には佐久間朱莉選手(67)、小祝さくら選手(68)、宮澤美咲選手(72)。佐久間選手は6バーディ・1ボギーの67で、前半32。展望で「4R大会強さ・難コース強さ・女王指数すべて出場者内1番手」として挙げた選手が、3日目にようやく上位へ入ってきました。

一方、36ホールを単独首位で折り返した内田ことこ選手は74。4ボギーで通算-4の7位タイに後退しています。

③ 全体平均は下がったが、コースは易しくなっていない

3日目のコース平均対パーは**+0.537**でした。初日+1.371、2日目+1.737でしたから、数字だけ見れば急に易しくなったように見えます。

でも回っている人数が違います。初日116名、2日目114名、3日目は予選を通過した67名だけです。

そこで、3日間を回った同じ67人で並べ直しました。

同じ67名の平均対パー
初日 -0.507
2日目 +0.552
3日目 +0.537

2日目と3日目は、ほぼ同じ難しさです。 楽になったのではなく、難しい日を生き残った67人だけが回っているから平均が下がった、というだけでした。

先週のCAT Ladiesでも同じ罠がありました(全体では最終日が易しく見えて、同じ52人で見ると日を追って難しくなっていた)。カットのある大会で日ごとの難易度を比べるときは、母集団を揃えないと逆の結論が出ます。

④ 15番と16番が、交互に牙をむいている

3日間の難ホールを並べると、はっきりした形が見えます。

15番(パー4/420ヤード) 16番(パー4/410ヤード)
初日(116名) +0.310/バーディ4 +0.285/バーディ5
2日目(114名) +0.439/バーディ1 +0.246/バーディ7
3日目(67名) +0.224/バーディ5 +0.343/バーディ1

2日目は15番が114人でバーディ1個、3日目は16番が67人でバーディ1個。 隣り合う2つの長いパー4が、日替わりで「バーディがほぼ出ないホール」になっています。

3日目でいちばん難しかったのは16番(+0.343、ボギー22)。次いで14番パー3(215ヤード/+0.299)でした。逆に9番パー5(490ヤード)は**パーオン率97.0%**で-0.388と、いちばん稼げるホールです。

⑤ 「守り切り」が突然いちばん効いた──ただし対象は12名

3日目終了時点で、54ホール通算といちばん強く結びついた持ち味はこれでした(比較を揃えるため、3日間を完走した67名だけで算出しています)。

持ち味ランキング 初日 36H 54H
守り切り女王 +0.212 +0.272 +0.639
賞金効率女王 +0.073 +0.304 +0.422
直近5戦の勢い +0.008 +0.255 +0.391
予選通過率女王 +0.104 +0.279 +0.379
3R大会強さ女王 +0.170 +0.275 +0.358
難コース強さ女王 +0.150 +0.222 +0.323

守り切り女王が+0.639まで跳ねました。 ただしこの指標にデータがあるのは67名中12名です。人数が少ないぶん、数字は大きく振れます。

実際、先週のCAT Ladiesでは同じ指標が54ホール通算で-0.459、つまり符号が逆でした。1週間で+0.639と-0.459を行き来する数字を、そのまま信じるわけにはいきません。対象10名前後の指標は、週ごとに向きが変わる——これは覚えておいたほうがよさそうです。

一方で難コース強さは +0.150 → +0.222 → +0.323 と、また日を追って上がっています。 同じ形は、これで5週連続です。

なお2日目に赤ヘッダーへ据えた雨の日女王は、54ホール通算で+0.170にとどまりました。地元開催女王も+0.122です。首位が北海道出身であることと、指標の数字は一致していません。

⑥ 北海道3人、ニトリ2人が上位に

それでも、顔ぶれは偏っています。

順位 選手 通算 北海道 ニトリ
1 阿部 未悠選手 -7
4タイ 小祝 さくら選手 -5
4タイ 宮澤 美咲選手 -5
7タイ 内田 ことこ選手 -4
7タイ 菅 楓華選手 -4

トップ7に北海道出身が4人、ニトリ所属が2人。小祝さくら選手は北広島市の出身で、両方に当てはまります。

展望で「ニトリ所属8人のうち7人が自社の冠大会に出る」「北海道出身は7人」と書きました。最終日を、その両方が上位で迎えます。

⑦ 最終日のポイント

  • 1打差に2人、2打差に3人。阿部未悠選手-7、桑木志帆選手・髙久みなみ選手-6、佐久間朱莉選手・小祝さくら選手・宮澤美咲選手-5。追う側は十分に射程です
  • 阿部未悠選手の型。3日目は16ホールをパーで通しました。同じゴルフで逃げ切れるか、それとも伸ばしにいく必要が出るか
  • 桑木志帆選手の66。前日74からの立て直しで、勢いは追う側にあります
  • 16番パー4。3日目は67人でバーディ1個。上がり3ホールに、この難所が残っています

出場選手の持ち味は初日早見表2日目早見表、これまでの分析は展望R1振り返りR2振り返りから。


引用・参照

  • JLPGA公式 ニトリレディスゴルフトーナメント2026 Round3 フルリーダーボード/ホールサマリ/ホールバイホール/スタッツ(参照日:2026-08-29)
  • 第2ラウンド再開時刻(6時27分)と第3ラウンド開始時刻(11時50分)は JLPGA公式ニュース「地元Vへ王手 阿部未悠が首位で最終日へ」(2026年8月29日)に準拠
  • 出身地・プロ入り年・契約状況は当サイトDB(検証済みデータのみ使用)
  • コース平均対パーは、出場者全員ベースと、3日間を完走した67名に揃えたベースの両方を当サイトで算出
  • 持ち味ランキングの相関は当サイト編集部の集計(指標は2026年8月23日スナップショット。Pearson相関。初日・36H・54Hの比較は範囲を揃えるため完走67名のみで再計算)
  • 先週のCAT Ladiesの相関値は当サイト同大会総括コラムに準拠

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