73→71→67→66。毎日、前の日より縮めた4日間|ニトリレディス2026 大会総括
初日は58位タイでした。そこから一度も後退しないまま、佐久間朱莉選手が今季2勝目。地元Vに王手をかけていた阿部未悠選手は、前日にバーディを取った2ホールで止まりました。
釧路カントリークラブ 鶴居東での初開催が終わりました。優勝は佐久間朱莉選手、通算**-11**(277)です。
① 4日間、毎日スコアを縮めた
まず、この数字を見てください。
| R1 | R2 | R3 | R4 | 通算 | |
|---|---|---|---|---|---|
| スコア | 73 | 71 | 67 | 66 | -11 |
| その時点の順位 | 58位タイ | 26位タイ | 4位タイ | 優勝 |
73→71→67→66。 4日間、一度も前の日より悪いスコアを出していません。順位も58位タイ→26位タイ→4位タイ→優勝と、一度も下がっていません。
展望では、佐久間朱莉選手を「4R大会強さ・難コース強さ・女王指数がすべて出場者内1番手」として挙げました。R1振り返りでは、その選手が73で58位タイに沈んだと書いています。
4日間ある大会は、初日で終わらない。 それをそのまま見せた4日間でした。
最終日の66の中身です。
| 佐久間 朱莉選手 最終日 | |
|---|---|
| スコア | 66(-6) |
| バーディ | 7(1・3・5・7・8・10・18番) |
| ボギー | 1(15番) |
| 前半/後半 | 31/35 |
| パーオン | 15/18 |
| パット | 27 |
| フェアウェイキープ | 11/14 |
前半9ホールで5つ伸ばしました。 1・3・5・7・8番と、1つ置きにバーディが並んでいます。31で折り返した時点で、勝負はほぼ決まっていました。
そしてフェアウェイキープ11/14。この日の全体平均は7.82本(14本中)ですから、平均より3本多くフェアウェイに置いています。飛距離は230.0ヤードで、全体平均238.7ヤードより8.7ヤード短い。R1振り返りで「フェアウェイキープ率51.2%が、このコースの正体」と書きました。最後に勝ったのは、飛ばした選手ではなく、置いた選手でした。
佐久間朱莉選手は埼玉県川越市の出身で、2021年プロ入りの93期生。今季は3月のダイキンオーキッドレディスに続く2勝目です。
② 阿部未悠選手の10番・11番
首位で最終日を迎えた阿部未悠選手は71(-1)で3位。地元・北海道での優勝には、あと3打届きませんでした。
ここに、はっきりした対比があります。
| 10番(パー4/385Y) | 11番(パー4/390Y) | |
|---|---|---|
| 3日目 | バーディ | バーディ |
| 最終日 | ボギー | ボギー |
前日に連続バーディを取った、まさにその2ホールで、連続ボギー。 R3振り返りで「18ホール中16ホールがパー。動いたのは10番・11番だけ」と書いた、その2ホールでした。
この日の阿部選手は3バーディ・2ボギー、パーオン11/18(前日は16/18)。前半34で耐えたあと、後半の入り口で2つ落とした形です。逃げ切りにいったというより、前日と同じ「乗せて、パーで通す」ゴルフが、この日はできなかったという数字に見えます。
それでも通算-8で3位。7月の明治安田レディスに続く今季2勝目こそ逃しましたが、恵庭市出身の選手が地元開催で最後まで優勝争いを続けました。
③ 荒木優奈選手の68と、桑木志帆選手の69
この日いちばん順位を上げたのは、荒木優奈選手です。
| 選手 | R3終了時 | 最終日 | 最終順位 |
|---|---|---|---|
| 荒木 優奈選手 | 12位タイ | 68(-4) | 4位 |
| 桑木 志帆選手 | 2位タイ | 69(-3) | 2位 |
| 髙久 みなみ選手 | 2位タイ | 72(E) | 5位 |
荒木優奈選手は5バーディ・1ボギーの68で、12位タイから4位まで8つ上げました。2024年プロ入りの97期生で、今季はこれで2位が2回、4位が3回。メルセデス・ランキングでも5位につけています。優勝はまだですが、上位に居続けている選手です。
2位の桑木志帆選手は、70-74-66-69。2日目に74を打った選手が、そこから66-69で戻してきました。この大会は2024年に優勝、2025年4位タイ、そして今年2位。3年続けてトップ5です。 メルセデス・ランキング1位の選手が、相性のいいコースでまた結果を残しました。
④ 北海道勢は、6人全員が完走した
予選を通過した北海道出身6人の、最終順位です。
| 順位 | 選手 | 通算 | 最終日 |
|---|---|---|---|
| 3 | 阿部 未悠選手(恵庭市) | -8 | 71 |
| 6タイ | 宮澤 美咲選手 | -5 | 72 |
| 6タイ | 小祝 さくら選手(北広島市) | -5 | 72 |
| 9タイ | 吉本 ここね選手(札幌市) | -4 | 69 |
| 14タイ | 内田 ことこ選手 | -3 | 73 |
| 35タイ | 政田 夢乃選手(札幌市) | +1 | 73 |
トップ10に4人。R1振り返りで「7人中6人が9位タイ以内」と書いた通りの形が、そのまま4日間続きました。
なかでも吉本ここね選手の69は、この日のノーボギー4人のうちの1人(ほかに後藤未有選手、大出瑞月選手、山本景子選手)。札幌市出身の選手が、最終日に最も安定したゴルフをしています。
36ホールを単独首位で折り返した内田ことこ選手は、R3で74、R4で73となり14位タイ。今季トップ10がゼロだった選手にとって、これが今季ベストです。
⑤ 「積むほど当たる」──ただし、今週は54ホールで頭打ちだった
持ち味ランキングの番手と、通算スコアの相関です(4日間を完走した67名で算出)。
| 持ち味ランキング | 初日 | 36H | 54H | 72H |
|---|---|---|---|---|
| 守り切り女王※ | +0.212 | +0.272 | +0.639 | +0.537 |
| 賞金効率女王 | +0.073 | +0.304 | +0.422 | +0.447 |
| TOP10率女王 | +0.042 | +0.282 | +0.330 | +0.403 |
| 予選通過率女王 | +0.104 | +0.279 | +0.379 | +0.364 |
| 女王指数 | +0.041 | +0.209 | +0.325 | +0.356 |
| 難コース強さ女王 | +0.150 | +0.222 | +0.323 | +0.304 |
※守り切り女王は対象12名の小サンプルです
賞金効率・TOP10率・女王指数の3つは、最後まで上がり続けました。 どれも「シーズンを通した総合力」を測る指標です。日数が増えるほど積み上げた実力が出る、という形は今週も出ています。
一方で、難コース強さは54ホールの+0.323が頭打ちで、72ホールでは+0.304に下がりました。この指標が「日を追って上がり続ける」形は5週続いていましたが、今週、最後の1日で止まっています。
理由ははっきりしています。最終日がいちばん易しい日だったからです。
| 同じ67名の平均対パー | |
|---|---|
| 初日 | -0.507 |
| 2日目 | +0.552 |
| 3日目 | +0.537 |
| 最終日 | +0.015 |
(母集団を揃えるため、4日間を完走した67名だけで算出。全員ベースでは初日+1.371/2日目+1.737/3日目+0.537/最終日+0.015)
最終日はバーディ197・ボギー176でほぼ均衡し、パーオン率も**70.3%**まで上がりました(初日61.1%)。難しさで削り合う日ではなくなった以上、「難コースで強い人」の優位が薄れるのは自然です。指標が外れたというより、コースが指標の土俵から降りた、という読み方をしています。
なおまくり女王は最終日単日で**-0.063**でした。追い上げを測る指標が、実際に追い上げが起きた日に効かない。この形は今季ずっと続いています。
⑥ 実測スタッツ:最終日はグリーンの上で差がついた
最終日の実測スタッツとスコアの相関です(67名)。
| 実測スタッツ | 最終日 |
|---|---|
| パット数 | +0.506 |
| パーオン数 | -0.395 |
| フェアウェイキープ | -0.334 |
| 飛距離 | -0.070 |
パット数がパーオン数を上回りました。 初日はパーオン-0.658/パット+0.567でしたから、難しさが抜けた日はグリーンの上で差がつくという、今季何度も見てきた形です。
そして飛距離は-0.070で、ほぼ無相関。4日間を通して、このコースは飛ばす選手のコースではありませんでした。優勝した佐久間朱莉選手の最終日の飛距離が230.0ヤード(全体平均238.7ヤード)だったことが、そのまま答えになっています。
⑦ 15番パー4は、4日間ずっと牙をむいたままだった
最後に、このコースの顔だったホールを4日間まとめて置いておきます。
| 初日 | 2日目 | 3日目 | 最終日 | |
|---|---|---|---|---|
| 15番(パー4/420Y) | +0.310 | +0.439 | +0.224 | +0.328 |
| バーディ数 | 4 | 1 | 5 | 2 |
4日間で、のべ12個しかバーディが出ていません。 最終日も67人中2人だけ。優勝した佐久間朱莉選手も、この日唯一のボギーをここで打っています。
初開催のコースで、最後まで「取れないホール」であり続けた1つのパー4。来年に持ち越される、いちばんはっきりした手がかりです。
⑧ 今週のまとめ
- 佐久間朱莉選手が73-71-67-66で今季2勝目。初日58位タイから、4日間一度も順位を落とさずに優勝
- 阿部未悠選手は3位。前日に連続バーディを取った10番・11番で連続ボギーとなり、地元Vは持ち越し
- 北海道勢はトップ10に4人。初日から最終日まで、上位に居続けました
- 賞金効率・TOP10率・女王指数は72ホールまで上がり続けた。一方、難コース強さは54ホールで頭打ち——最終日が易しい日になったためです
- 入場者は4日間で7,029人(最終日2,448人)
各ラウンドの詳細は展望・R1・R2・R3から。出場選手の持ち味は初日早見表・2日目早見表・最終日早見表でご覧いただけます。
引用・参照
- JLPGA公式 ニトリレディスゴルフトーナメント2026 最終フルリーダーボード/ホールサマリ/ホールバイホール/スタッツ/大会ページ(参照日:2026-08-30)
- 天候・入場者数はJLPGA公式大会ページ掲載値(初日 曇り時々雨19.9℃/2日目 晴れのち雨23.9℃/3日目 曇り時々晴れ19.4℃/最終日 晴れ20.0℃)
- 出身地・プロ入り年・入会期・優勝歴は当サイトDB(検証済みデータのみ使用)
- メルセデス・ランキングは2026年8月23日時点のスナップショット(当大会の反映前)
- コース平均対パーは、出場者全員ベースと、4日間を完走した67名に揃えたベースの両方を当サイトで算出
- 持ち味ランキングの相関は当サイト編集部の集計(指標は2026年8月23日スナップショット。Pearson相関。初日・36H・54H・72Hの比較は範囲を揃えるため完走67名のみで再計算)
- 実測スタッツは公式スタッツ掲載分を当サイトで再集計
関連選手
この大会の舞台
釧路カントリークラブ 鶴居東コース(北海道)は、一般のゴルファーもプレーできるコースです。
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この記事の「持ち味」、データで見つかります
32の持ち味ランキングで選手の個性を多面的に。大会週は毎朝、見どころデータをXに投稿しています。